境内神社について
厳島神社(いつくしまじんじゃ)
ご祭神の市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)は天照大御神(あまてらすおおみかみ)と素盞嗚尊(すさのをのみこと)が天の安河(やすかわ)で相対し、誓約(うけい)をされたときに生まれた女神。
大御神(おおみかみ)が尊(みこと)の十拳剣(とつかのつるぎ)を取って三つに折り、水ですすぎ、息をかけられたところ、この息が霧となって散るときにうまれられたともいわれ、美人の誇れ高く〝弁天さま〟ともみたてられている神である。
古来、陸上航海安全の神として霊験あらたかであり別名 狭依毘売命(さよりひめのみこと)、中津嶋姫命(なかつしまひめのみこと)ともいわれる。
境内の池は白龍池(はくりゅういけ)と呼ばれ、白龍の観音を頂き出現されたところで、雨乞いに霊験ありと伝えられている。
なお、もとは社のそばに聖徳太子作の十一面観音を祀る観音堂があった。
万慶稲荷神社(まんけんいなりじんじゃ)
徳川時代の大坂城内各屋敷に祀られていた多くの稲荷神(いなりがみ)を当神社境内に戸田大隈守(とだおおすみのかみ)により一社に集め、享保年間に遷座された社。
ご祭神は宇迦之御魂神(うがのみたまのおおかみ)。
新山稲荷神社(しんやまいなりじんじゃ)
寛政11年、当時の大坂城代・松平輝和(まつだいらてるかず)候により祀られていた社であり、城代屋敷であった天王寺区清水谷東之町(現:大阪府立清水谷
高校)に鎮座していたが、明治40年当神社へ遷座合祀する。
ご祭神は宇迦之御魂神(うがのみたまのおおかみ)
(左)新山稲荷神社
(右)万慶稲荷神社
豊臣秀頼公胞衣塚大明神
豊臣秀頼公と母・淀殿を結ぶ卵膜・胎盤などの胞衣(えな/よな)が鎮まる。
玉造の地を数々遷座したが、地元の政・財・文化界有志により、大坂城鎮守神である当神社へ鎮座された。
〝縁〟には家族の縁、親子の縁、男女の縁、主従の縁、仕事の縁など様々存在する。〝縁のひも〟は豊臣秀頼公に仕えた武将・真田幸村ゆかりの〝真田紐〟で作られ、その願いを記し、〝縁のひも掛け〟に結び祈願する。
また、「子の悩み」や「夜泣き」にも霊験あらたかとされる。
「縁のひも」と「縁のひも」掛け台
梅薬師 道祖神(うめのやくし どうそしん)
江戸時代、神社の北側隣接地に、疫病や災害除け、病気平癒や長寿を願う石薬師があった。この石薬師で、見事な紅梅が咲き誇った事から梅薬師とも呼ばれた。
令和2年(2020)春、新型コロナウイルスの終息と民の安全を願う為、この地に再び紅梅(未開紅など)を植樹し、「梅薬師 道祖神」として祭祀された。
「夏越の祓」や「歳の大祓」は、こちらで参拝される。
江戸時代、見事に咲き誇った「未開紅」の苗木
文久3年(1863)
『国宝大阪全図』