復活した玉造黒門越瓜を見守る
「玉造黒門越瓜ゆかりの地」石碑
大坂城の玉造門(現・大阪市中央区玉造1丁目)が
黒塗りの門であった事から、この門を別名黒門と呼び、
江戸時代この黒門付近で作られ名産となった瓜の事
を
「玉造黒門越瓜(
たまつくりくろもんしろうり)」
という。一般に、くろもんと呼ばれ、実は最も長大、濃緑
色で八〜九条の白色の縦縞があり、糟漬けにしておい
しかった事から浪花名産の一つとされた。
江戸時代の狂歌師・貞柳は「黒門といえども色は
あおによし奈良漬にして味をしろうり」と一首とどめて
いる。
天保8年(1837) 『国郡全図』<上:南 下:北>
大坂城の南に位置した玉造で当時、玉造黒門越(白)
瓜と呼ばれる瓜がうまれ、その味の良さから大坂を代
表する産物となった。
『漬物早指南』
干瓜の図
『改正摂津大坂図』<上:北 下:南>
当時の玉造付近(
玉ツクリムラ
)の古地図。
イナリ
(=玉造稲荷神社)
の周りには
ハタケ
(畑)が広がり、玉造一帯で名産の瓜
が栽
培されていた。
大坂城惣構堀・黒門付近(写真提供:大阪市文化財協会)
斜めに落込んだ地層が大坂城惣構堀になり平坦な地層に
黒門が建てられていた。(1989年 大阪市中央区玉造1丁目)
玉造黒門越(白)瓜の歴史
江戸時代前期、大坂の越(白)瓜は主に西成郡で栽培され、
木津村・今宮村が越(白)瓜促成栽培の祖とされた。徐々に
越(白)瓜の栽培が玉造村にも広がり、玉造の黒門付近で良
質の越瓜が採れたことから玉造黒門越(白)瓜と呼ばれた。
玉造では貞柳(1654〜1734)の狂歌や安永6年(1777)『難波丸綱目』の「浪花名物寄(白うり 玉つくりくろもん)」、「玉造 白瓜市」などの所載から1700年代前半には玉造で越(白)瓜が栽培・商いされていたと考えられている。
当時、玉造でこの越(白)瓜に関わる重要な人物が玉造有力
町人・高津屋吉右衛門(玉造平野口町町年寄)であった。吉右
衛門家は、代々玉造平野口町(明治5年〜は町名を東雲町通
1丁目となる:現大阪市中央区玉造1丁目)に住み、玉造郷内
に吉右衛門肝煎地と呼ばれた畑地を多く所有し、小澤家と共
に玉造黒門越(白)瓜の生産・商いに力を入れた。また、この
玉造平野口町には、天正10年(1582)・豊臣秀吉に瓜を献上し
たことにはじまる白瓜市場があり、明治半ばまで続いたこの市
場は黒門市場とも呼ばれ、特に江戸時代に流行したお蔭参り
の旅客で大変賑わった。
また、江戸時代中頃の玉造は幕府より与えられた酒造りの権利(酒造株)により多くの酒造業者が集まった。その中でも豊臣期に近江から来往し、高津屋と同様に玉造の開発町人であった萬屋(佐々木)小兵衛家は玉造中町(現・大阪市中央区玉造1丁目・2丁目)を中心とした酒造業を営み多くの産をなした。玉造の酒造りから出る酒糟と玉造黒門越(白)瓜と呼ばれた良質の瓜がもととなり名物の奈良漬が生まれた。昭和61年(1982)には同玉造2丁目にある大阪市立玉造小学校の体育館新築工事の際に1700年代中頃の酒造竈が発掘された。この竈は寛政10年(1798)の『日本山海名産図会』の中にある伊丹酒造挿図其二麹醸とたいへん似ており、当時玉造で酒造りが盛んに行われていたことを物語っている。
『日本山海名産図会』「伊丹酒造」
玉造小学校出土の竈
(写真提供:大阪市文化財協会)
しかし玉造の町は、明治時代から砲兵工廠で働く工員達の居留地・娯楽地となりはじめ、城東線・市電の開通等で一気に近代化が進み、町は大きく様変わりした。この近代化の波に押され、玉造黒門越(白)瓜をはじめ白瓜市場、田畑、酒造業者は玉造から次々とその姿消していった。
長い年月が過ぎ再びこの越(白)瓜が玉造の地へ戻って来たのは平成14年(2002)のことである。また玉造黒門越(白)瓜の復活を祝い、平成16年(2004)7月に(社)大阪外食産業協会会長・田舞喜八郎氏のご揮毫奉納により、当時吉右衛門肝煎地があった稲荷山を臨む神社畑に石碑が建立された。例年
7月15日には神社畑で栽培された玉造黒門越(白)瓜が玉造黒門しろうり食味祭の参加者にふるまわれる。
玉造黒門越(白)瓜と記載のある資料(江戸時代)
安永6年
1777
(安永版)『難波丸綱目』所載「浪花名物寄」
寛政9年
1797
(寛政版)『増修大阪指掌図』所載「大坂産物」
天保7年
1836
『新改正摂津国名所旧跡細見大絵図』所載「名物名産略記」
天保8年
1837
(天保版)『増修大坂指掌図』所載「大坂産物」
天保11年
1840
大日本産物相撲
天保11年
1840
庖丁里山海見立角力
文久3年
1863
『改正増補国宝大阪全図』所載「大阪産物名物大略」など
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(江戸時代の玉造の地図はこちらをクリック)
江戸時代(安政)と現代の玉造地図
玉造くろもん
ちゃん
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(玉造黒門越(白)瓜資料 PDFダウンロード)
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大日本産物相撲
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庖丁里山海見立角力
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大阪産物名物大略
」
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明治時代
「
種苗カタログ
」
「
蔬菜栽培講義
」
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大正時代
「
関西農報
」
・
昭和時代
「
種苗カタログ@
」
「
種苗カタログA
」
当神社所蔵資料より
玉造黒門越(白)瓜
玉造黒門しろうり食味祭 くろもん
ちゃん
玉造黒門しろうり食味祭
くろもん日記(平成15年〜17年3月)
(平成17年4月〜は玉造.netへ)
平成15年・玉造黒門しろうり食味祭
「くろもんあんかけ」
平成16年・玉造黒門しろうり食味祭
「くろもんにぎり/巻寿司」
平成17年・玉造黒門しろうり食味祭
「くろもん素麺」
平成18年・玉造黒門しろうり食味祭
「くろもん和えもの」
平成20年・玉造黒門しろうり食味祭
「くろもん冷味噌汁」
平成19年・玉造黒門しろうり食味祭
「くろもんフルーツポンチ」
平成21年・玉造黒門しろうり食味祭
「くろもん荒おろし素麺」
平成19年・玉造黒門しろうり食味祭
清水谷高校作 「くろもんゼリー」
平成21年・玉造黒門しろうり食味祭
中央区食推協「くろもんきんぴら」他
平成22年・玉造黒門しろうり食味祭
「くろもんキムチ」
平成23年・玉造黒門しろうり食味祭
平成24年・玉造黒門しろうり食味祭
野 菜
名 産 地
野 菜
名 産 地
@毛馬胡瓜
大阪市都島区
H大阪四十日大根
豊中市庄本町
A服部越瓜
高槻市塚脇
I天王寺蕪
大阪市天王寺区
B玉造黒門越瓜
大阪市中央区
J金時人参
大阪市浪速区
C勝間南瓜
大阪市西成区
K石川早生
河南町石川
D水茄子
貝塚市
L蓮根
守口市・門真市
E鳥飼茄子
摂津市
M吹田慈姑
吹田市山田
F田辺大根
大阪市東住吉区
N大阪しろな
大阪市北区
G守口大根
大阪市北区
O独活
茨木市・千堤寺
「なにわの伝統野菜」より 発行:大阪府立食と緑の総合技術センター
なにわ伝統野菜の復活を支援している団体
玉造黒門越瓜保存会
大阪府立食と緑の総合技術センター
浪速魚菜を守る会
豊下製菓株式会社
大阪ブランドコミッティ
伝統野菜ネットワーク
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